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執筆者の写真一哉 大鹿

成功は確率論―成功者のキャリアは8割が偶然

経営コンサルタントの山口明男です。


今回は、山口周先生(兄弟でも親戚でもありません)の著書『ニュータイプの時代 新時代を生き抜く24の思考・行動様式』から学んだことをお伝えします。



山口周先生の本は、2,3年前に『世界のエリートはなぜ「美意識」を鍛えるのか』を買って半分ぐらい読んでいました。


また半年前にはCDで話を聴いていましたが、今回この本を読むことにした決め手は、最近ハマっている西野亮廣さんの『夢と金』を読んでいて山口周さんの本書が登場したからです。


山口周先生の本は毎回、本当に面白いのでオススメです。本書は351ページの読み応えのある本ですが、ガン! と頭を叩かれました。


『ニュータイプの時代」と題名あるように、ニュータイプと対照的なオールドタイプの私は心をズタズタにされました。今回はその一部を紹介します。


優秀な人材像の崩壊


さて、私の心がズタズタになったのは冒頭「20世紀的優秀さの終焉」という部分です。引用してみます。


20世紀の後半から 21世紀の初頭にかけて高く評価されてきた、従順で、論理的で、勤勉で、責任感の強い、いわゆる「優秀な人材」は、今後「オールドタイプ」として急速に価値観を失っていくことになるでしょう。 一方、このようなオールドタイプと対置される、自由で直感的で、わがままで、好奇心の強い人材=「ニュータイプ」が、今後は大きな価値を生み出し、評価され、本質的な意味での「豊かな人生」を送ることになるでしょう。

え、何ですって? 自由でワガママがこれからはいいのですか?


真面目に、親の言うことを守り、一生懸命努力して、勉強し、良い学校に入り、大きな安定した会社に入り、会社の方針をしっかり守り、皆と協調して定年まで何事もなく順調に勤め、退職金で老後悠々と暮す。


これが優秀な人間ではなかったのでしょうか?


現在、世の中が大きく変わっていることは肌で感じていますが、その要因を山口周先生の本では、


「社会のVUCA化」が進行することにもうなって、「経験の不良資産化」が進むことで、経験への評価も大きく変わることになる


と説明しています。


社会の VUCA化とは


  • V=Volatile(不安定)

  • U=Uncertain(不確実)

  • C=Complex(複雑)

  • A=Ambiguous(曖昧)


コロナにはじまり、ロシア、ウクライナの戦争、また今はハマスがイスラエルを攻撃して

の軍事衝突等まさに不安定、不確実、複雑、曖昧な世の中ですね。


コロナが終息してもコロナ前には戻らないといわれていましたが、まさに、時代が変わりオールドタイプからニュータイプの時代の到来になりました。ニュータイプの時代の到来を表している次のような文面を目にし、衝撃を受けています。


「綿密な計画」はむしろ成功確率がさがる


「計画を立て、計画の達成にこだわる」という、一般的にポジティブに評価される行動様式が、実は成功を遠ざける要因になっていることを示唆しています。特に、現在のような予測の難しい時代にあって、これまでポジティブに評価されてきた「綿密に計画を立て計画の達成にこだわる」というモードは、もはやオールドタイプのそれと言うことになります。一方でニュータイプは「とりあえず試してみて、結果を見て修正する」というダイナミックなアプローチを取ります。

私が現在、大事にしている仕事は、P、D、C、Aサイクルを早く、確実に回すことです。


  • 新しい事業年度が始まるとき、過去の業績、特に、最近の一年間の業績を詳細に検討して、新しくスタートする事業年度の綿密な経営計画を作成する

  • その計画と、毎月の実績を、翌月の早い時期に経営幹部とともに計画・実績の検討会をする

  • 良い結果の要因、悪い結果の原因を把握してその月にどのような対策を講じて、行動をするかを具体的に決める


上記をポイントとした会議をしていますが、最近はあまり盛り上がらず、十分な成果が出ていないことに悩んでいます。


自分のことでは悩みはほとんどありませんが、お客様の経営計画の数字と実績の乖離が大きく、しかし、社長も、幹部もそのことに対して危機意識・問題意識が少ないことに悩んでいます。


会議前日までに、詳細な資料を作り問題点を明確にして、私は危機意識・問題意識いっぱいで会議に参加しますが、結果は私の「一人芝居の空回り」状態が多いのです。


それにより悩んでいましたが、今回『ニュータイプの時代』を読んで、時代が大きく変わっていることに気づかされ、従来通リのオールドタイプのP、D、C、Aサイクルが機能不全意陥っていることが分かりました。


これから自身を改善しニュータイプになるための、参考となる内容を見付けました。


成功は確率論―成功者のキャリアは8割が偶然


米国のビジネスマン数百人を対象に調査を行ない、結果的に成功した人たちのキャリア形成のきっかけは、80%が「偶然」であるということを明らかにしました。 キャリアは偶然的に生成される以上、中長期的なゴールを設定して頑張るのはむしろ危険であり、努力はむしろ「いい偶然」」を招き寄せるための、計画と習慣にこそ向けられるべきです。我々のキャリアは用意周到に計画できるものではなく、予期できない偶発的な出来事によって決定されます。

この文面を読み、私も人生を振り返ってみて、まさに8割の偶発的な出来事のおかげで今があることを再確認しました。


まず、会計事務所の仕事を始めたとき。


高校卒業の間近の正月に、それまで進学をするつもりでいましたが、父親が定年まで3年、県外の大学に行かせるのは金銭的に無理、すぐそばの岡山大学ならアルバイトして行ってもよいよといわれましたが、私の学力では無理。


親に金なし、本人に学力なし、卒業間近で就職する先もなく、やむなくその当時誰も見向きもしなかった会計事務所なら、「試験もなく入れるよ」といわれて就職をしたのがキャリアの始まりです。


それで62年経つ今もこの業界で仕事を続けています。


また今、医療業界の仕事の中心に仕事をしていますが、1980年に甲子園球場のそばで開業されていた整形外科の岡山から嫁がれた奥様から


「医院の患者様は多いのに業績が悪いのですが、一度見ていただけませんか?」


と連絡をいただき、甲子園まで行きました。


当時の所得税は医師の優遇税制(現在もまだ少し残っている部分もあります)があって帳簿をキチンとしなくても税金の心配のない業界で会計事務所は関わりがなかったのです。


私も医療業界の経理をさせていただくのは初めてでしたが、巨人ファンの私、ここ甲子園に来ていれば巨人VS阪神戦が見られるという不純な動機で、医療の経理に初めて関わりました。


そのおかげで1989年からは本格的に医療業界に特化し、順調に会計事務所経営ができたのです。


このような偶然がきっかけになった事は数えきれないぐらいあります。偶然って怖いですね。


「綿密な計画」で経営することより、努力はむしろ「いい偶然」を招き寄せるための、計画と習慣にこそ向けられるべきですね。


たくさん試すことで「勝てる場所」を見つける。成功者のキャリアは偶然のもたらす機会によって跳躍している。


アマゾンは試行と撤退の達人です。同社は上場以来、70を上回る新規事業に参入していますが、およそ3分の1は失敗して早期に撤退しています。


アマゾンの成功は、そのような予定調和の末に獲得されたものではなく、膨大な数の試行錯誤の結果なのです。


それなら私たちも、新しい出会いに期待し、読書で学んで、とにかく、すぐやる。


「瞬間行動型:大胆派」で始めて、駄目ならすぐ撤退する、また新しいことをやる。


そんな“ニュータイプ”でいきましょう!


今回のポイント


  • 「綿密な計画」はむしろ成功確率がさがる

  • 成功の確率は8割が偶然

  • 「いい偶然」」を招き寄せるための、計画と習慣を身に着けよう


最後までお読みいただきまして、ありがとうございました。

閲覧数:122回1件のコメント

1 Comment


fukudashigeo0412
Oct 14, 2023

一冊の本の中から選りすぐりのエキスを取り出して書いてくださいます。自らの体験談を踏まえの裏打ちがあり実に多くの仕事に役立つ情報です。ありがとうございます。

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