経営コンサルタントの山口明男です。
今回はいつもとは少し異なり、私の専門分野の「経営計画」の話をさせていただきます。
あなたは、あの冷たい数字、それもコンピューターから出力された数字の羅列の決算書・試算表を見て、きっちり理解し、経営に有効活用されていますか?

なかなかできていない方が多いのではないでしょうか?
数字の羅列の資料は、私ども専門家が読んで・理解し、見やすいビジュアルで愛を込めてご提供させていただきます。あなたをよく理解した私たちだからこそ、あなたに分かりやすくお伝えできるものだと自負しています。
経営は「P・D・C・Aを回すこと」といわれ、その鉄則に従って経営方針書・経営計画書を作成されていると思います。
その方針書、計画書では年間目標を定めることになりますが、目的は目標を達成することです。
多くの方が、P=計画は作成されていますが、成果が十分に出ていない状況を多く目にします。
P=計画だけで行動しなければ、 (P、P) ピーピーになりますよね(笑)。
なぜ成果が出ないのかというと、計画を作ることには力を注ぎますが、計画を作ったことに満足して、そのあと、それに沿った行動ができていないからです。耳が痛いかもしれませんが。
目標達成の成果は、何に現れますか? 決算書ですよね。成果が出る経営計画、期末に目標通り決算書ができる計画書の作成についてこれから解説します。
現状の把握、1年先の理想の状況
決算終了時の貸借対照表、損益計算書、借入金残高、車両、機械等の割賦返済金残高
これから1年間の返済予定表を準備してください。
現在の状況
科目残高→固定預金、商品在庫、売掛金、固定資産、その他資産、買掛金、借入金、未払金、その他負債、自己資本計
1年先の理想の状況
科目残高→商品在庫、売掛金、固定資産、その他資産、買掛金、借入金、未払金、その他負債、自己資本計
各科目の残高をこの1年後、どのようにするか意志決定してください
そのためのこの1年間の必要利益
借入金返済資金、割賦返済資金、設備投資資金、将来の準備資金、納税資金をまかなえる必要利益はいくら必要か
これらの項目を洗い出すことで1年間の必要利益が出ます。その利益達成ための年間目標数値作成については、こう考えることが重要です。
行動計画の作成
計画と実績のチェック(C)……売上の確認→経費の確認→資金の確認
まず第一歩は、1年を12ケ月に細分化した数値・詳細な売上計画・経費計画・資金計画、そしてその実現のための行動計画を作成し、計画通り行動をすることです。
計画通りの成果を出すために大事なことは、毎月の計画と実積のC=チェックです。年間計画は皆様されていますが、できていないのが毎月のこのC=チェックです。
毎月、翌月の早い時期に、先月の経営実積数値を確認してください。
計画に比べて、実績はどうなっているか?
まず、売上・収入の確認です。各項目別に計画と、実積の確認です。達成できているものと達成できていないもの。未達成の要因について、その対応はどうするか?
次が経費の確認です。計画を上回っているものは何か? その要因は何か? それに対してどのような対策を講じるか?
次に資金です。売上から原価、経費を引き、利益はいくら出ていますか? その利益で借入金の返済・割賦返済はまかなえていますか? 資金残は計画に比べてどうなっていますか?
このように、売上・収入・原価・経費について、計画と実績の差異を確認しましょう。
これだけのものを毎月、確実に確認していけば、自ずから期末の利益、資金残、支払うべき税金も見えてきます。期末に納税が多く資金手当てに慌てることはなくなります。
毎月の積み重ねで、良い決算ができます。まさに「ローマは一日にして成らず」です。
決算期が終了して見る決算書は「死亡診断書」ですが、毎月きちんと数字を見れば「健康診断書」になります。
毎月早く数字を把握することで重要なことは、日々の経理処理をシステム化して、誰でも、簡単に入力でき、経理処理をためないで毎日きちんと事務処理をすることです。
また、良く目にすることですが、月次の数字の把握が遅れる一番の要因は、購入の請求書が届かないことです。その対応策として、請求書は郵送でいただくのではなく、データでいただくようにしましょう。
そうすれば早く正確に、購入金額の把握ができます。先方も手間や郵送料がなくなり、お互いに良いのではないでしょうか?
理想の1年後を実現するために、詳細な月次計画を立てるとともに毎月のチェックをし、理想を達成してくださいね。
今回のポイント
1年後の理想の状態をイメージして逆算で年間計画を作る
年間計画は毎月の詳細計画に落とし込む
翌月の早い時期に計画、実積のC=チェックを行う
最後までお読みいただきまして、ありがとうございました。
別紙で計画・実積・比較表の簡単な様式を添付しました。ぜひご活用ください。不明点があればお気軽にご連絡いただければと思います。
なお、もし、これまでの経営状況を鑑みて「計画とそのチェックに穴があった」と危機感を感じたのなら、正しい経営計画の実践について学び直しませんか?
私でよければお力になります。お気軽にお問い合わせくださいね。
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