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  • 執筆者の写真山口明男

足腰の強い会社経営をするための会計“5つ”の方法

更新日:2月14日

経営コンサルタントの山口明男です。


今回も、前回に続き17年前の拙書『愛と感動の経営魂』からの最終編として、63年間関わっている仕事、「会計」についてお話します。


ぜひ、最後まできっちりご覧ください。




経営者は毎月経営数値を把握しておくこと


経営者であるあなたは、経営数値を毎月どのタイミングで見ていますか?


年間の経営方針をもとに、月々の売上、粗利益、経費、純利益を計画されていますよね。月が新しくなって、いつ、計画と実積のチェックをしていますか?

 

遅くても翌月5日までには行ってください。それが会社の健康診断です。よく言うのですが決算書は死亡診断書でもあります。


翌月の早い時期にチェックすれば、計画通りに進んでいない事案について、いち早くその月に改善の手が打てます。


これが、P・D・C・AのC(チェック)、A(改善のアクション)です。素早いC・Aを月々早期に行うことが、方針書通りに経営を行う最善の方法です。


また、翌月1日に先月の経営結果を簡単に把握できる方法があります。


それは、毎月1日に前日の銀行のデータをエクセルに入力し、前の月末の残高との増減を確認すること。こうすれば先月の概算の利益把握は毎月1日にできます。


もちろん、前月末に売掛・買掛・未収・未払など高額なものがあれば、それを加算減算すれば、より正確な、経営数値の把握ができます。


前月の試算表はいつ、会計事務所から届いていますか? 検算の資料ですからしっかり期日を守らせましょう。

 


個人資金と残りの人生の資金管理法


上記の方法は、個人にも使えます。


毎月1日に通帳を見ながら預金残高を、エクセルに入力します。月末の資金残高と先月末資金残高の差額が1ヶ月の収入金額・使用金額の合計で、月末資金残高を割算しましょう。


すると、この資金残で、あと何ケ月資金があるかがわかります。その月数を、年・月に直します。そのあと、何歳、何か月か自分の年齢に直します。


これを毎月行ってください。楽しみでもあり、少し嫌にもなります。資金の残存年数はわかりますが、人間の残存年数がわからないのが難点ですね。(笑)


分かりやすい簡単な計算例で示します。


(月末資金残)100,000,000円÷(1ケ月増減額)1,000,000円=(残存月数)100ケ月  

          

(残存月数)100ケ月÷(一年)12ケ月=(残存年数)8年3ケ月


(現在年齢)60歳+(残存年数)9年3ケ月=(資金終了年齢)68歳3ケ月

 

これを見てどう感じますか? 毎月100万円減れば、1億円の資金があっても68歳3ケ月で終わります。


資金の残存年数は計算できますが、人間の残存年数は計算できませんね。


毎月1日にはこの簡単な計算をしてこれからの人生設計をしてみるのはいかがでしょうか。60歳以上の方はぜひ、エクセルを使って、毎月1日に楽しんでくださいね。



外部ブレーンの活用

 

外部の優秀な方を、ブレーンとして経営・人財育成に協力してもらうことも資金の使い道として大切です。


優秀な人財を採用することも重要ですが、なかなか採用は難しく、採用すれば固定費なります。


その点、必要な時に、必要期間だけ協力していただける外部ブレーンの費用は変動費にすることができます。


採用にはデメリットもあり、たとえ優秀な人間でも、会社の中に入って安住していると自分を磨くこと・成長への投資が鈍ってしまいます。そのために専門分野、得意分野が少しずつ陳腐化していくんですね。


このことを防ぐためにも、採用ではなく、外部ブレーンの活用を私はお勧めしています。


外部ブレーンを決める時に大切なのは、高度な専門知識はもちろんのこと、自分と相性が合う人を選ぶこともポイントになります。


私が関わってきた会計事務所も重要な外部ブレーンです。奥様に言えないことも話してくださる方もいます。


その場合、担当者がポイントです。


経営者の相談相手ですから、経営側の考え方をしてくれることが第一条件。そして時には配偶者や従業員に言えない悩みを聞いてくれることが大事です。


昨日も、2年半毎月ズームで勉強会をしている建築業の方とお話しました。


社長がしっかり勉強されて成長し、器が大きくなり、売上が倍増し、あまりの忙しさで、社員が疲弊していると、うれしいお話をお聞きしました。


「今こそ外部ブレーンを活用する時、その体制を構築する時ではないですか」


と助言をさせていただきました。外部の活用は変動費となり節税にもつながります。



ここで節税に関するお話をさせていただきます


経営者で「私は上手に節税して、あまり税金は払ってないよ」と言われる方がおられますが、本当でしょうか?


日本では、税金を払わない確実な方法は赤字を出すことしかありません。しかし、毎日命懸けで働き、赤字を出したのでは働く意味はないというものです。


会社経営をされている方に、会社を大きくする方法の一つとして、税金をしっかり払うことですよ、とお話します。


これを言うと、お客様から


「会計事務所の仕事は税金を少なくすることではないのか」


と叱られることもありますが。10年後には納得していただけます。


もちろん、毎年、年初に詳細な月次数値を計画し、この計画で1年進めば期末の納税金額までわかります。


納得して払える納税額になるように、役員報酬はじめ十分な人件費を払い、退職金の準備もして、そのうえで利益が出れば気持ちよく納税できます。


期末の納税資金も月々準備しましょう。


しっかり納税し、良い経営をした結果、自己資本比率が40%を超えたら、そこが節税を考える時期です。それまでは、必ず納税をする優秀な会社経営をしてください。



会計事務所の活用方法


会計事務所も重要な外部ブレーン。その会計事務所のレベルを見る際の簡単なポイントをお教えします。


実は、決算書のある2ケ所を見るだけで分かるのです。


まず、自社の損益計算書の経費項目を見てください。


「雑費」という科目がありますが、この科目の金額はいくらになっていますか?


会社の規模で金額の大小は変わりますが、雑費が多い場合は、会計事務所の処理がいい加減なケースが多いです。


科目の処理判断が分かりにくい場合は安易に雑費にしてしまう。決算書の雑費の金額が多い場合は、その中身を分解しないと経費節減の手が打てません。


雑費に入れず適切な科目で処理することが大切です。


次は科目明細で、「借入金」の明細書を見てください。


借入金は借入先ごと、それも借入の証書ごとの月額返済額は表示されていますか? また、その借入金の金利の利率は表示されていますか?


ここまで明細が表示されていて合格です。


中には、「○○銀行1億5千万円」というように、銀行の合計額で表示している借入金内訳書がありますが、これでは会計事務所としては失格です。


なぜか? 事務所としては借入金の利率を見たいのです。


お客様の支払利息を少なくするのは、会計事務所が原価をかけずに、お手伝いができる分野です。


会社の内容を理解している我々は会社の実力比べ高い金利が表示されていれば、知り合いの銀行と交渉して、金利を下げてもらう交渉をします。


金利を下げてくれる確約を取り、会社の借入先である銀行と交渉します。ほとんどの銀行は提案した金利に下げてくれます。


借りている会社より、借りていない会計事務所が金利交渉する方が無難です。借入をする時や借入金利率を決める時は会計事務所を上手に使ってください。



今回のポイント


  1. 月が替わったらいち早く数字を確認しましょう

  2. 優秀な外部ブレーンの活用し、経営・人財育成に協力してもらいましょう

  3. 借入をする時や借入金利率を決める時は会計事務所を活用しましょう

 

最後までお読みいただきまして、ありがとうございました。



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ぜひ、私に壁打ちするつもりで、あなたの経営に対する考えをアウトプットしてください! 必ずお返事します。



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