経営コンサルタントの山口明男です。
今回も前回の記事に続き、7月5日に開催した芳村思風先生の講演内容をまとめました。
現在の日本は暗いニュースが多く、円安・物価高騰・政治状況などを見ると、「これから先、この国は大丈夫か?」と思うことはありませんか?
しかしながら、本来の日本は素晴らしい国です。これからは世界のリーダーになれるという、可能性に満ちたお話をしていきます。楽しみに読んでくださいね。
現代は第三の過渡期である
先述の講演の中で、芳村先生は以下のように話されていました。
日本には素晴らしい、歴史・文化・美しい大自然・美しい大和心がある
それを生かせば第三の過渡期、近代から新しい時代への今、人類史上類を見ない完成度の高い時代を作り、世界のリーダーの道を開くことができる
日本には最高のものがある→すべてのものを道にする
最高の道の思想は日本にしかない→茶道、華道、武士道など魅力あふれる日本の文化。その基礎は世界に類を見ない日本人の繊細な感性にある
世界各地から入って来たあらゆるものを、日本人は学んで、自分の納得できるものし、最終的に完成度の高いものに仕上げることができる民族である
今は第三の過渡期
第一の過渡期→古代から中世へ ギリシャ、ローマ
第二の過渡期→中世から近代へ ルネッサンス
第三の過渡期→近代から新しい時代へ 完成度の高い時代を作る
今は、西洋文明よりもっと素晴らしい東洋文明への過渡期
アジアの素晴らしさをアジア人に目覚めさせるのが日本人の役割。そのアジアの時代の入口が日本。日本人はこれから人類史上最高の素晴らしい文明を築く
このような、これからの日本に夢や希望、期待が持てるお話を聞かせていただきました。
世界では日本人ほど繊細な感性を持っている民族はいないようですが、ではその繊細さはどこから来るのでしょうか?
素晴らしい高度経済成長期に調子に乗りすぎた?
ChatGPTに「日本の歴史で一番良い時代はいつですか」と尋ねてみたところ、「一般的には平安時代が良い時代とされています。また戦後の輝かしい時代は高度成長期」という答えが返ってきました。
平安時代や高度経済成長期とは打って変わって、現代は少し元気がなくなっていますよね。その原因は何なのでしょうか。
今年4月、和歌山県に行き、那智の滝を見ました。
以前、アメリカで目にしたナイアガラの滝にスケールこそ劣りましたが、那智の滝の糸のような繊細な流れは日本独特のものでした。日本人の繊細さは大自然から与えられたものだと、私はそのときはっきりと感じ取ったのです。
芳村先生がいわれるように、日本は、素晴らしい大自然・繊細な感性・清らかで美しい心、・優しい人間性を持つ、世界に自慢できる国です。
敗戦後、素晴らしい復興を遂げ、GDPでもアメリカに次いで世界第2位まで上り詰めた日本。
いったい、何が要因で今のような姿になったのでしょうか? 3,000年の歴史を持ち、美しい大自然に恵まれた日本が、最近元気を失いつつあるのはなぜでしょうか?
昨年亡くなられた稲盛和夫様から、このように教えていただきました。
「生まれた時より素晴らしい世にして、あの世に帰るのだよ」
私は昭和17年に生まれ、終戦後の貧しい時代が子供時代でした。その当時に比べれば、物も生活も豊かで便利になり、生活環境は間違いなくよくなっています。
しかし、人の心はどうでしょうか。病気はどうでしょうか。平均寿命年数は伸びましたが、子供のアレルギー・アトピー・若い方の自殺などは悪化している様子が見られますね。
もちろん、ChatGPTが答えてくれた平安時代は経験ありませんが、高度成長期は青春の真っただ中で、アメリカにも何度か勉強に行きました。
社会学者エズラ・ヴォーゲルによる著書『ジャパン・アズ・ナンバーワン』が出版された1979年頃が経済成長のピークで、我々勉強に行っていた仲間同士で、「もうアメリカから学ぶものはないね」などとうそぶいていました。
しかし『ジャパン・アズ・ナンバーワン』には、日本もまもなく没落すると書かれていたようです。その予言が見事に当たり、40年を経過し、今の状況になっています。
その責任は40年前一番働き盛りだった私たちが高度成長の波に乗り、調子に乗り過ぎたことも大きな要因ではないでしょうか。
その本も日本をほめた本ではなく、アメリカに警告を与えたくて書いた本だったようです。
日本人は調子に乗り遊び惚けていた時、アメリカは懸命に日本を研究し勉強して、その結果、現在のようになっています。何とか以前の元気な日本戻すことはできないでしょうか。
高度成長の時代を謳歌した私たちには、以前の良い日本に戻す責任があります。
素晴らしい国、日本を取り戻すためには、一人ひとりの心構えと行動が大切ですね。
過去を悔やんでも、人を攻めても、なにも解決しない
最近、年齢を意識してか、健康に非常に注意しています。
健康の3大原則は、「自分の身体の原材料、旬の新鮮なものを食べる」「良い睡眠を十分とる」「運動をする」です。毎日これをしっかり実行しています。
しかし、私は考えました。
「健康で元気に生きる」だけでいいのでしょうか? 何のために「健康で元気に生きる」のでしょうか?
その根本の目的がなければ「健康で元気に長生き」する意味がありませんよね。
その時に稲盛様から学んだ「生まれた時より素晴らしい世にして、あの世に帰る」これをすることがこれからの私の使命だと気づきました。これからも学び、行動し続けなければいけない、と。
最近、昔学んだ、一枚の紙を見付けました。
私は世界を変えたかった。 私は若かりし頃、世界を変えたかった。 それが困難だと悟ると、今度は国を変えようとした。 それも困難だと悟り、町を変えることにした。 町さえも変えられず、年老いて、今度は家族に目を向けた。 今となっては、変えられるのは自分だけだということを、老いた私は悟った。 それと同時に、自分が変わったら、家族に影響を与えられることに気づいた。 すると私や家族は、町にも影響を与えられる。 その影響が国へと広がり、実は世界を変えられるのだ。 (紀元前1100年 無名の僧侶の詩)
無名の僧侶の詩を見て、あなたはどう思われますか?
現在の日本では、「政治が悪い」「業界が悪い」「円安が悪い」「教育が悪い」「戦後教育の間違いが悪い」「昔の良さをなくした」など、いろいろな要因をいわれます。
しかし、過去を悔やんでも、人を攻めても、なにも解決しませんよね。
この詩は、矢印を自分に向けること、自分が変わることしか、世界を変えることはできないと教えてくれていますね。心に沁みます。
第三の過渡期の今、素晴らしい文明の担い手である私たちは、昔の日本の良さ、当たり前のこと(素直に、感謝で生きる、人、物、自然を大切にする等)をもう一度、思い出し、確認し、実行すればいいと思います。
芳村先生のいわれるように、日本は素晴らしい国で、これからも夢がいっぱいあります。
自分に矢印を向けて、気づき、学び、行動して、素晴らしい日本を取り戻しましょう。
芳村先生の講演では最後に、「理性・知識ではなく、行動で得られる感性を大切にしよう」というメッセージで締め括られました。
頭で考える知識や理屈は実際に起こる現象とは違う
理性とは抽象的。頭で考え、言葉にしたら抽象的→非現実的
知識は現実ではない、知識より体得を重視する体験でしか真実は語れない
経験に裏打ちされた、つまり、体験したことによってしか本物を得ることはできない
真実とは、生きた現実。真実は感性でしかつかめない
体験して、体感して、感性で実感して、気づき、さとれる
人間の本質は心、真実に触れること
感じてこそ幸せ。真、善、美は感じるもの
今回のポイント
日本人は世界に類を見ない繊細な感性の持ち主である
自分に矢印を向け、変えられるのは自分だけ
体験して、体感して、感性で実感して、気づき、悟ること
最後までお読みいただきまして、ありがとうございました。
追伸)芳村先生および行徳哲男先生の講演映像を改めてご紹介します。ぜひご覧いただき、感想やご意見をいただきたいです。
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