経営コンサルタントの山口明男です。
今回も、前回に続き17年前の拙書『愛と感動の経営魂』からの一部をご紹介します。
下記の10項目は17年前に挙げたものですが、これらのうち5項目に対する今の考えを、述べさせていただきます。17年間で少しは成長できているのか、自分で確認する意味も込めて。
人間力アップの10ケ条
才能だけではなく、徳を積むこと 品性の大切さ。卑しさの排除
ギブ・ファースト 忘利利他こそ慈悲の極みなり。与えること
学びて、知らざるを知る 上には上がある。常に謙虚で受け入れる心を持つ
成功へのセオリー 勉強好き、素直さ、プラス発想
成功のシステム 人生目標をしっかり立てて、とことん挑戦する
メモ魔になる メモをこまめにとる習慣と、それを活かすシステムを作る
朝は夜より賢い 朝を制する者が全てを制する
優先順位をつける 限られた時間を何に使うか?メモを整理し、優先順位をつける
現場中心主義 現場に神が宿る。身軽な行動力。フットワークが大切
問題意識を持って キーワードを持つとポイントが見えやすい
10ケ条の中から次の5点に関して、具体的なお話をしていきましょう。
才能だけでなく、徳を積むこと
徳を積むことの大切さは日頃から心していますが、ついつい、下賤の生まれですから、品性より、卑しさが出てしまいます。
最近、事件が起きるたびに、責任者が「私の不徳の致すところで…」と詫びの言葉を言うのを耳にします。これこそ、自分の才能だけで突っ走った結果、不祥事が起きていることの現れではないでしょうか?
「徳を積む」とは今日一日、自分の最善を他者のために尽くし切ることです。
素晴らしい才能をお持ちのあなたは、その才能を大切に、そのうえに徳をプラスしていけばいい。それすれば不祥事など起きず、素晴らしい成果が出るはずです!
ギブ・ファースト
17年ほど前、ジェームス・スキナー氏のセミナーに参加してたくさんのことを教えていただきました。中でも、今でもしっかり残っていることは「人生とは与えるものなり」という教えです。
出すことが先。呼吸も、呼が先で、そらから吸うと書きます。
ブーメランの法則をご存知ですよね? 人生は与えたものが返ってきます。
自分のしたことは必ず、自分に返ってくる。それもすぐ返るもあれば、時間をかけて忘れた頃に返ってくることもあります。時には今世でなく、来世で返ることもあるようです。
私の本来の仕事で、相続税の申告をお手伝いすることがありますが、相続で最も重要で難しいのは、相続財産を相続人でどのように分割して相続するか、誰がいくら財産をもらうかを決めることです。
これが一番難しく、揉めることがたびたびあります。
ここに重要な前例があります。
頑張って頑張って、たくさん財産を取った人と、揉めたときに欲張らず譲った人の二通りのパターンがあります。その後の人生を見ていますと、最終的に幸せになった方は後者の「欲張らず譲った方」であることが多く見受けられます。
これも、与えることの大切さ教えてくれていますね。
成功へのセオリー:勉強好き、素直さ、プラス発想
成功者の共通点は、勉強好き。
それも謙虚で、素直な気持ちで、学び続けておられる方が成功されています。
現在のように時代の変化が激しいときは、「昔、勉強していたから大丈夫」とは言えません。時代の変化をしっかり学び、しつかり変化に対応しないと駄目ですね。
経営とは「環境に適応すること」です。プラス発想も、成功の重要なポイントです。
起きることはすべて必要、必然、最善であり、すべては宝となる
試練とは、温かい心となるための天からのプレゼント
マイナスとマイナスを合わせればプラスとなる
このようなプラスの発想ができれば、ストレスに強くなります。ストレスは体に良くないですよ。ストレスを貯めずに、お金を貯めましょう(笑)。
現場中心主義
仕事柄、経営の結果を書類で見ることが多いのですが、机上で書類を見ているだけでは表面上だけのことで本当の原因は分かりません。
真の原因は、現場にしかないのです。
フットワーク軽く現場に足を運べば、そこは問題解決の宝の山です。
1971年(昭和46年)にコンピューター会計を始めましたが、それまで会計事務所は、お客様からお預かりした書類で、しかも自社の事務所内部だけで仕事をしていました。
コンピューター会計を始めたことをきっかけに、自社内部で仕事をするのではなく、現場にお邪魔して、現場を見て、書類も原子記録を見せていただく巡回監査制度を始めました。
お客様の前で仕事をすると、「大変な仕事ですね」と感心され、感謝されました。
踊りは、お客様の見えないところで踊るのではなく、お客様の目の前で踊ることが大切だと気づきました。
現代はIT・ネットの時代ですが、今も毎月フットワーク軽くお客様の現場を訪問し、社長や幹部の方と顔を付き合わせていろいろとお話をさせていただきます。
やはり、お会いして、お互いの熱、肌のぬくもりを感じながら、お客様の「声なき声」を感じ、お客様の事前期待を超える仕事をすることは現場を訪問するからこそできることです。
問題意識を持って
仕事で経営計画を指導させていただくにあたり、毎月、月初めに先月の実績と計画のC:
チェックをさせていただきます。
計画通りに進捗しないところほど、残念ながら計画に対して危機意識・問題意識を持っていない方が多いです。
心配過剰も問題ですが、常に正しい危機意識・問題意識を持ちながら日々の経営・生活をする必要があるのではないでしょうか?
何故、危機意識・問題意識を持っている人が少ないのでしょうか。
今の政治にも要因があるのではないでしょうか。
今の政治のままの状態で日本の将来は大丈夫でしょうか。
政治家の皆様、将来の日本に対する危機意識、問題意識は十分持たれていますか。
今回の能登半島地震で、被災者の皆様が一番困っていることは水の問題ですね。
今の世の中、トイレは水洗トイレがほとんどですが、水洗トイレから水が出ず、お風呂にも入れないとは大問題ですね。
水道の問題をテレビで見ていましたが、岡山の水道設備の老朽化は全国でもワーストトップクラスです。この水道施設の老朽化に対する問題について、行政の方は今後どのようなことを、どのような対策を考えてくれるのでしょうか。
必要以上の心配はすることはありませんが、最低限の危機意識・問題意識を持っておくことは必要なことですね。今回の能登半島地震で痛感しました。
今回のポイント
素晴らしい才能に、徳をプラスして成果を出してください
人生は与えることなり。GIVE&GIVEの人生を
フットワーク軽く現場に行き、実際の現場で学びましょう
最後までお読みいただきまして、ありがとうございました。
追伸
電子書籍も2冊発行しています。
『計画を実績に変えられる経営者の5つの条件』
『時は金なり命なり』
Amazonで購入できます。
詳しくは当ホームページ「出版物」のメニューからご覧ください。こちらもぜひお読みいただきたい内容です。
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