経営コンサルタントの山口明男です。
「信用2.0」という言葉をご存知ですか?
きっとあなたも初めて聞く言葉だと思います。
2.0があれば1.0もあると思われたでしょうが、「信用1.0」とは今までの「信用できる人」の条件、つまり次の通りです。
名前の通った大手企業に勤めている
勤続年数も長く、勤務態度も真面目
高偏差値の大学を卒業していて、成績優秀
結婚してきちんと子育てをしている
持ち家もあり、現実に預金もしている
しかし、堀江貴文さん(以下ホリエモンと呼ばせて頂きます)は、もうこの信用の条件では古い、時代遅れだといっています。
では「信用2.0」とは何か? これが今回の記事のテーマです。
信用は投獄をも乗り越える?
結論からいいましょう。ホリエモンは著書『信用2.0 自分と世界を変える「最重要資産」』のなかで、
「信用」は自分と世界を変える「最重要資産」
だと語っています。
ライブドアを起業し、2000年に東証マザーズに上場。
大阪近鉄バファローズやニッポンの買収、衆議院議員に立候補、それもわざわざ強敵、亀井静香さんの広島で立候補など、「ホリエモン」の愛称で一躍時代の寵児となりましたね。
また、2006年には証券取引法違反容疑で東京地検特捜部に逮捕され、懲役2年6カ月の実刑判決も受けて投獄の経験もされています。
私はよく言っています。
超一流の経営者になれるのは「闘病、倒産、投獄」を経験し、それを乗り越えた人だと。
闘病、倒産の経験者はかなりおられますが、投獄を経験し、それを乗り越えた経営者ホリエモン。投獄を経てなおホリエモンがビジネスで活躍できている要因が、「信用2.0」なのです。
這い上がることができたのは、時代の流れを正しく洞察・予感でき、新時代の信用の本質をつかんで「信用の資産家」になったからです。
どんどん手放せ!
戦時中に生まれた私にとって、信用=お金です。私が考える「信用」が間違っていたことも痛感しました。
信用とは? ひと言でいうと、「他者からの評価」である。
「あの人ならこれを任せられる」「あいつはこれぐらいやってくれるはずだ」というポジティブな評価こそが、信用の最も本質的な要素だ。
冒頭から私の考えは打ちのめされました。私はお金が減るのが一番怖かったのです。
信用という無形資産を増やすためであれば、お金や物なんて、どんどん手放して行けばいい。どんどん楽しい体験、経験をして、美味しいものを食べ、自由に旅をし、思いっきり遊べばいい。
そうですね。お金はあの世には持つていけませんね。お金や有形の資産を手放して経験したこと、体験したことの思い出、また人に喜んでいただいたことは魂とともに持っていくことができます。
「信用こそが最も貴重な資産」だ。 「信用をつける具体的な方法。自信を持つこと」。 「自信を持つためには学び続けること」
まず必要なのは信用だ。信用を積み上げることができた時、お金が後からついてくる。信用を集めた人に。自動的にお金が集まってくるような仕組みがどんどん広がっていくようになる。信用さえあれば、お金は後からついてくる。
「信用こそが最も貴重な資産」、私がその無形資産を増やすために心掛け、実践していることは、当たり前のことを大事にすることです。
凡事徹底が信用に変わる理由
当たり前のことですから簡単なことですが、簡単なことこそ、徹底的に、継続することでお客様から信用されますよね。
まず一番は、お客様との約束を守る。
まず時間です。必ず守る。約束の5分前には行く。「たいしたことの出来ない私、せめて時間は守ります」。いい言葉でしょう?
また私の重要な仕事に、毎月の数字の報告がありますが、必ず定期的に月一度は訪問し、数字を精査し、結果の報告をさせていただいています。
これは自分との重要な約束です。それを長年続けていることで、お客様との信頼関係、人間関係が出来、これを毎月間違いなく継続していくことで自分の「自信」になります。
信用と「自信」はワンセットです。
「自信」を保つための裏付けは「学び続ける」ことです。
そのために本を読んで(今は月8冊がノルマです)、大切と思ったところはマーカーを塗り、パソコンに打ち込み、ブログを書く、これが私の信用をつけるための具体的学びです。
確実などない。あるのは信用だけだ
戦後の時代環境もありますが、私の人生にとって「信用とはお金」でした。
子供のころから心に強烈に刻まれ、一生懸命働いて、お金を残し、安定した生活をする、また老後のためにお金を残すことが自分の人生の目的だと刷り込まれ実践してきました。
信用という無形資産など、まったく意識してない人生を歩んできました。
お金でお金を増やすことに一生懸命でした。
バブル崩壊前には銀行さん保険会社と一緒になって変額保険も売ったり、またその後も証券会社の方とのご縁ができ、しっかり株にも投資し、いろいろお付き合いさせていただきいろいろ経験させていただきました。その結果ですが、充分な成果は出すことはできませんでした。
そこで最終的に得た教訓は? お金にお金を稼がせることは難しく、それは無理だということです。
末永く安心できるお金の稼ぎ方は、自分自身に稼ぐ力をつけることしかないという結論に達し、今も実感しています。
お客様からもよく相談をいただきます。
何に投資をしたら儲かるか? 何に投資をしたら確実か? と。
しかし、長年の私の経験で、確実に儲かり、安全なものなどはわかりませんという答えしかありません。
今回学んだ、ホリエモンのいう「信用2.0」が答えですね。明確になりました。
目に見える流動性の資産はどんどん使い、自分に投資して、学び、行動して、無形の信用資産をつくることが大切です。
世界情勢や各国の金融政策などの影響で、日本円、お金の価値が下がっていくのは間違いなでしょう。
もはやお金だけに頼る必要はありません。
人間の信用や物の価値を可視化することはできますし、お金だけが唯一無二の価値基準ではなくなっていき、個人の無形資産の豊かさこそが信用の獲得につながる状況で、本当に大切なのは、いかに自分の時間、人生を充実させるかにかかってきます。
「信用2.0」とは、自分自身に信用をつけるために、「ハイやります、ハイできます」と即答できる人間になること。
そのためには、しっかり学び、(本などで)それを即実践、行動して、また学び、相手の方のお役に立ち、喜んでいただくこと。
その繰り返しが、自分の自信になり、最終的に信用になります。
今回ホリエモンの本を読んで、痛感した稼ぐ力とは、信用力をつけることであると鮮明になりました。信用力の獲得をしっかり実践してまいります。
今回のポイント
今までの「信用できる人」の条件はもう過去のものだ
信用とは?ひと言で言う、「他者からの評価」である
流動性の資産はどんどん使い、行動して、無形の信用資産をつくること
最後までお読みいただきまして、ありがとうございました。
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